我が家の猫、つぶさん(14歳)。
食欲不振が続き、目に見えて元気もなくなったため、動物病院を受診したところ「腎疾患の可能性が高い」とのことでした。
調べてみると、確かに高齢猫には慢性の腎臓病が多いらしいです。そこで、治療法やかかるお金について、つぶさんの場合を記録しておきたいと思います。

症状

食欲不振。元気消失。
カリカリ・缶詰ともに食べる量が減っているな、と思っていたら、あっという間に両方とも食べなくなり、1日に好物の刺身などを2〜3切食べさせるのがやっと、という状態に。歯肉炎で何度か治療(注射・投薬)しているので今回もそれを疑いましたが、食べるときに痛がる様子がないので、不思議だなぁと思っていました。
人間のひざに乗るのが好きな猫なのですが、それすらおっくうらしく、一日中部屋のすみでダラっと横になっていました。

診断

まず歯肉炎を疑い口の中を見てもらいました。すると「少しの炎症はあるものの、ものを食べなくなるようなレベルではない」ということで、血液検査をしました。
結果は、「Amy(アミラーゼ)の数値が高く、膵炎か腎疾患、または両方、の疑いがある。現時点でどちらか判断することは難しく、膵炎を判断する膵特異的リパーゼという検査は陰性だったが、それだけでは膵炎ではないと断定はできない」とのことでした。
腎機能の指標となる数値については、BUN(尿素窒素)は異常値でしたが、Cre(クレアチン)は正常値でした。

治療法

皮下輸液

膵炎にしろ腎疾患にしろ、根本的な治療法はなく、対症療法として『皮下輸液=注射で体内に水分を補給し、脱水症状を緩和し、老廃物・毒素の排出を促す』という治療を行うとのこと。
人間でもよくやる点滴の液を皮下に注射するのだそうです。
「まずは必要な薬を入れての皮下輸液。これを1週間程度続けて様子を見ましょう」と、言われたのですが、我が家では仕事の都合上、毎日病院に通うのはまず無理です。それを伝えたところ、自宅で飼い主が行うことも可能、とのことだったのでそちらでお願いしました。

自宅で皮下輸液をやってみる

猫の皮下輸液セット。輸液バッグ・翼状針・シリンジ
皮下輸液セット:輸液バッグ・翼状針・シリンジ(注射器の筒のこと)。あとは消毒用アルコールと脱脂綿が必要。

病院で先生の注射の様子を一生懸命に見たつもりでしたが、家に着いたときにはすでに記憶があやふやです。
そこで、動画や解説をいくつか見て勉強しました。
やり方については私がどうこう言うよりも、プロの方に学ぶ方がいいと思うので、一番わかりやすくためになった動画解説を貼っておきます。
私は動画を3回くらい見て、そのあと何回もイメージトレーニングをしました。

私は右利きなので、左手で猫の皮を引っ張って右手で針を刺します。
たまたまひざに猫が乗ってきたときに左手で皮を引っ張ってみました。
確かに結構伸びます。
この伸びた部分にプスっと刺すくらいなら案外痛くないかもしれない(と、思いたい)。
でも、猫の皮を、しかも左手で引っ張るなんて日頃はしない動作なので、今ひとつ上手にできません。
左手で自分の右腕の皮を引っ張り、左手の動作の練習をしました。

我が家のやり方

うちは夫婦二人で役割分担をしています。
少なくとも今の技量では一人でやるのは無理だと感じています。

【手順】

① 輸液バッグを人肌に温めるなど、輸液のためのセッティングをする

② 猫を 袋→箱に入れる(後で説明します)

③ 夫:輸液バッグから輸液をシリンジにうつし、翼状針をセット

④ 私:猫の皮膚をつまみ上げ、針を刺す

⑤ 夫:シリンジを押して輸液を注入(これが結構力が要るようです)

⑥ 夫:全量入ったらシリンジを交換(翼状針は猫に刺したまま)

※ このとき(翼状針のチューブからシリンジを外すとき)にチューブを引っ張ってしまい、針が抜けてしまうことがあるので、抜けないように私がチューブを持っています

⑦ 夫:新たにもう一度輸液バッグから輸液をシリンジにうつし、再度翼状針にセット

⑧ 夫:シリンジを押して輸液を注入

※ 輸液の量が少ない場合は①〜⑤で終了



【気にかけていること】

・猫を強く押さえすぎない
・針は一気にプスっと刺す
初めは本当に抵抗がありましたが、自分の身に置き換えて考えても「じわじわと刺されるより、一気にプスの方が絶対いい!」と思ったので、意を決してやっています

あばれる猫の対処法

動画で見る猫はみんなおとなしいです。針を刺されようが、ニャアとも言いません。
しかし、あれは病院だから怖くて固まっている(つぶさんもそうです)のか、注射をする人の腕がいいのか、猫の性質か。
わかりませんが、相当おとなしいと思ううちのつぶさんでも、家では結構嫌がりますから、あばれる猫も多いと思います。
そこで、うちでやっている方法を紹介します。


① 袋に入れる

専用の 保定袋 というものがあり、ネットでも売っていますが、私は通っている動物病院で使っているものを真似た巾着型のものを作り、使っています。

猫の皮下輸液用の保定袋。スウェット作った巾着型。

【袋の作り方】
① 年季の入ったスウェットの、腕の部分を切り落とす
② 切った部分を縫い合わせる
③ 裾のリブにヒモを通す
④ 首周りのリブにゴムを通す(動物病院ではヒモでしたが私はゴムを入れました)

首の部分はゴムなので、猫の顔を出すことも可能。(今回は出しません)
目薬をさすときなどに使えるかも…と、思っています

【使い方】
① ゴム部分を下にして床に置く
② 猫を袋に入れ、注射をする部分だけが見える程度に口を閉める

頭まですっぽり被せて見えなくしてしまう方が落ち着くようです

② 箱に入れる

初めは袋に入れた後、周りを自分の足で囲ってホールドしていましたが、今は袋に入れてさらに、ピッタリサイズの段ボール箱に入れています。どうしても前方に逃げようとするので、箱に入れておけばそれを抑えることができます。

治療費

5月3日に病院にかかり、今(5月16日)までに払ったお金の総額は 34,350円です。

詳細は以下

【1回目】

再診料 ¥550
採血 ¥1,100
血液検査 ¥6,600
膵特異性リパーゼスナップ ¥3,870
注射3本 ¥3,990
合計 ¥16,110

【2回目】

再診料 ¥550
注射3本 ¥3,990
皮下輸液セット約4日分 ¥3,050
輸液に入れる薬 4日分 ¥6,400
合計 ¥13,990

【3回目】

再診料 ¥550
皮下輸液セット約7日分 ¥3,700
合計 ¥4,250

検査料もあるので短期間で結構な額になりました。
でも、3回目以降の皮下輸液を自宅で行っているのでこれでも安い方ですよね。
そもそもこちらの病院は良心的な金額設定だと思いますし。でも、つらいなぁ。

今のつぶさんの様子

だいぶ元気になりました。
食については、元気な頃の半分くらいかな。
以前は食欲の鬼だったんですけどね。鬼の頃が懐かしい。

しかし、つらいですね、皮下輸液。

まどろんでいたり、すり寄ってきたりするのを捕まえて袋に入れて針刺しちゃうなんて・・・
「ごめんね、よしよし、良くなるよー」
なんて言いながらやっています。

一昨日から薬なしで、皮下輸液のみ。
このままもう少し続けてみてどうなるか、様子見です。

元気になってくれるといいのですが・・・。
またご報告したいと思います。