なんか用?
つぶの夢を見ました
夫はしばらく家を空けることになっていました。
半月くらいの不在はたまにあることで、今までは淋しいと思ったことなどほとんどありませんでした。ちょっと申し訳なく感じるくらいに。
「たまの一人の時間、何をして過ごそう?」などと考えると逆に楽しくさえありました。しかし、それはつぶがいたからだったのです。本当はぜんぜん一人じゃなかった。
夫が出かける日が近づき、つぶがいない初めての一人ぼっちの日常を想像してみると、淋しく、ハリがなく、無気力になって、会社に行くのもおっくうになりそうな気がしました。
そしてその晩も
「『カリカリ出せ〜』と明け方起こされることもないし、会社から急いで帰ってくる必要もない・・・。面倒を見る責任がないというのはなんて淋しいことなんだろう」
とか
「いてくれるだけで良かったのに」
とか
「どんな風に膝に乗って来ていたのだったっけ?」
とか
考えてもしょうがないようなことを、考えるでもなく考えて眠れなくなっていたら、いつの間にかいたのです。つぶが。部屋の入り口に。
もちろんつぶが亡くなっているのはわかっているので
「え? なんで? どうしたの?」
と言ってみましたが返事はありません。にゃあとも言いません。
質問は黙殺され、普段ご飯が欲しい時のように、「ついて来い」という感じでエサ場の方に歩いて行ったので、ついて行きました。
「食欲が戻ったんだな、良かった」などと思いながら、片付けたつぶ用の皿を出そうかどうしようか迷ったところで、「それより先に夫に見せた方がいいのでは?(有り体に言えば幽霊なのでいつ消えてしまうかわからない)」と気づき、抱っこして部屋に戻りました。
つぶを見せると夫はまさに目を丸くして驚き、やっぱり「なんで?」と言いました。
私は「いやあ、なんでか知らないけど、とにかくいたんだよ」と、答えながら「もしかして私が引き留めているのでは?」と思い始めていました。「もう少し一緒にいたかった」という私の思いがつぶをこの世に引き留めているのではないかと。
私はつぶに聞きました「ねえ。私があんまり淋しがるから天国に行けないの?」
もちろん返事はありません。しかし私は続けます。
「淋しいのは本当だけど、でも行っていいんだよ。行くなって言ってるんじゃないんだよ。私が淋しいのはしょうがないんだよ。行っていいんだよ」
そう言い続けているうちに、涙のせいかつぶの顔がゆがんできて、つぶだったものはいつの間にか猫砂の袋になっていました。
こんな夢です。
ほんの少しうとうとしたときに見た夢で、現実と状況が繋がっていて、もしやと思いまだ起きていた夫に「つぶ見た?」と、聞いたほどちょっとリアルなものでした。夢の中で私が言ったのも本当の気持ちです。
これで行ってくれたでしょうか?
天国というのが本当にあって、うわさ通りの良いところなら、立派に猫生を終えたつぶはそこに行くべきです。どこぞの橋で待つ必要もありません(まぁ待っててくれてもいいけど💖)。
でも、行っていいって言われてもこんなにしょっちゅう「いてくれたらなぁ」と思われていたら、行きづらいかもしれませんね。でも思ってしまうものは仕方がない。困ったな。
でもなんとか慣れるようにするから(さっきからでもでもばかりではっきりしませんね)
もっと楽しくいろいろやって、もうしばらくこっちで修行していくから、先に行って待っててね。