2007年4月14日生まれ(推定)/猫/♀
つぶに関する記録です

1歳半を過ぎた頃だったと思います。突然ぷっつりとつぶが来なくなりました。

「最近全然来ないね」
「車にはひかれてないよね?」
「誰かに飼われたのかな?」
などと夫婦で話しているうちに、1ヶ月が過ぎ、2ヶ月が過ぎ。
つぶを話題にすることも少なくなってきたある日、夫がつぶを見かけたと言います。
近所の家の塀を歩いているところを見かけて思わず「つぶ」と呼んだところ、一瞥をくれただけでそのまま行ってしまったと。
「絶対つぶのはずなのに俺のことを無視した」と、とてもしょんぼりしていました。
しかし、無事なことを確認できたので私は安心しました。
近所では何匹かの猫を見かけるので「つぶもその猫コミュニティの一員となって暮らしているんだな。エサがない時にでもまた思い出して来てくれればいいや」と思っていました。

しかし、つぶはそれからまったく姿をあらわさず、半年ほどが経ちました。

春になり、天気がよかったのでベランダを開け放して掃除をしていたところ、そのベランダからつぶが入って来ました。
「あら、つぶ、どうしたの?」
声をかけても私のことなど眼中にないようです。しきりに部屋のあちこちを点検しています。居間が終わると隣の部屋に行きました。そこは夫のガラクタ貴重な資料で埋め尽くされたカオスな空間です。そこを丁寧に歩いて回るとエサをねだりもせずにベランダから出て行きました。
「なんだったんだ?」
久しぶりにウチに来たのに私に挨拶するでもなく、部屋を見て回っただけでそそくさと出て行くとは。
しかも、ビックリなことにおなかには赤ちゃんがいるようです。おなかの皮がダラーんと伸びて床につきそうなのです。ついこの間まであなたが赤ちゃんだったのに・・・と、猫の成長の早さにちょっと寂しさを覚えました。

それから2週間ほどがたち、確かゴールデンウィークが始まる前の晩だったと思います。

仕事が終わり、地元の駅から家への道のりを歩いていると携帯が鳴りました。夫からです。
「お願い、とにかく早く帰って来て」
とても動揺しているのがわかります。聞くと、つぶが来て玄関に子猫を置いて行ったそうです。
とにかく急いで帰りました。
家に帰るとやっと目が開いたくらいの子猫が3匹いました。
話を聞くと、
玄関を軽くコンコンと叩くような音がしたが、ドアスコープを覗いても誰も見えなかったので、そーっとドアを開けてみたら子猫をくわえたつぶが立っていた。そのまま入ってきて、玄関に子猫を落として出て行った。さらに子猫を運んでくるつもりなのだろうと察した夫がドアストッパーをかませて少しドアを開けておいたところ、今では3匹になった
とのことでした。
多分この前のつぶは、子育てに適した物件を探していたのでしょう。その中で、以前自分が遊びに行っていた部屋を思い出し「あそこならばごちゃごちゃしていて適当に隠れられるし外敵も来ない」と、判断したに違いありません。
どうしたものかと夫と話し合っていて、子供の頃に親から言われたことを思い出しました。「子猫に触るな」というものです。私の実家でも猫を飼っていて、子猫を産んだことがあったのです。子猫に人間の匂いがつくと親猫がそれを嫌って移動する。くわえて行くので誤って歯を立ててしまったり落としてしまったりして危ないと言うのです。なので、子猫たちにはちょっかいを出さず、つぶ親子に一部屋を貸し出して放っておこうということになりました。
そんな話をしているとまたつぶが来ました。4匹目を連れてきたのです。その後はもう出て行きませんでした。

授乳後にじゃれあう猫のきょうだい
少し大きくなった子猫たちと、気だるく横たわるつぶ
家出娘が帰って来たと思ったらなんと子連れ。急展開の2009年春でした。